眼鏡タイムトリップ

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■ 第5回 鼈甲めがね!!

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鼈甲とは玳瑁(タイマイ)と呼ばれる海がめの甲羅から作られたものです。
タイマイは体長70センチ~100センチほどになる中型の海がめでキューバなどの暖かい海に生息しており一部の地域では食用にもされています。
日本では沖縄にも少数生息しているようです。
しかし本来鼈甲とはスッポンの甲羅をあらわしており玳瑁とは別物、ではなぜ今玳瑁の甲羅をそう呼ぶのでしょうか?
江戸時代以前は鼈甲と玳瑁は明確に区別されていました。
しかし江戸期後半の天保年間贅沢を良しとしない奢侈禁止令がだされたため人々は玳瑁を安価なスッポンの甲と偽ったためと言われてます。
呼び方を変え実体を隠しごまかす、日本人の得意な技ですね。
鼈甲(玳瑁)の歴史は古く日本最古の記録は1400年ほど前、小野妹子が隋より持ち帰ったものとされています。
いまだそのときの工芸品が正倉院に保存されているとか。
世界最古はやはり中国、兵馬俑や万里の長城で有名な秦の始皇帝の王冠に鼈甲細工が使用されているそうです。
それほど長い歴史をもつ鼈甲細工ですが国内の最盛期はやはり江戸時代、鎖国時代のため原料の甲羅の入手は長崎が中心となり自然そこには腕のよい職人たちも多く誕生することとなった。
現在鼈甲といえば東洋のイメージで大陸より技術が伝わったとされていますが一説によれば当時のポルトガルもしくはオランダ人より平戸の細工師が技術を伝授されたとする説もあり東洋と西洋が混ざり合い昇華された姿が現在の日本の鼈甲技術かもしれません。

■ 第4回 アメリカ最古の眼鏡メーカー AO

アメリカンオプティカル 「AO」
その創業は1833年に遡ります。
マサチューセッツ州サウスブリッジにおいて一人の宝石職人が手作りした銀製のフレーム。
宝石職人の名はウイリアム ビーチャー。
彼の宝石店の作業部屋で生まれたそれこそがアメリカの眼鏡の歴史の始まりです。
時は移り1920年代世界大恐慌の影響で貴金属の世界から眼鏡の世界に流れた宝飾職人の手により眼鏡は華やかな彫金に彩られ更に後の金相場の暴落によって金の厚張りフレームが大量に製作されました。
それ故当時のフレームは眼鏡史上「最も美しい時代」とよばれるに至り中でも「AO」のそれは華麗さと精度の高さでアンティーク眼鏡の世界においても高値を呼んでいます。
写真のフレームはAO本社の倉庫に長年眠っていた貴重なものです。
10Kのブリッジに1/10ー12Kの金張り彫金フレーム。
日本ではいわゆる安全枠と呼ばれるタイプ。
下は珍しいレンズの型をとるためのための紙製の型付。
当時の包装のままです。
更に珍しいAOの作業用保護眼鏡通常作業用眼鏡は使い捨てされるものなので残っているものは大変貴重。
しかもオリジナルのケースとギャランティーまでありました。

アメリカンオプティカル「RIMWAY FUL-VUE」
アメリカンオプティカル
「RIMWAY FUL-VUE」
AOグループ シューロン社製「RONWINNE]
AOグループ
シューロン社製
「RONWINNE]
AO製 作業用 保護メガネ
AO製 作業用 保護メガネ
防塵メガネ用スチール製ケースとギャランティー
防塵メガネ用スチール製ケースとギャランティー

■ 第3回 大正時代の眼鏡色々

大正時代になるとかなり眼鏡も普及してきたので、色々なバリエーションが出てきます。
今回は、今でも実用性に富んでいるコンパクトな携帯用のフレームを紹介しましょう。
写真は、国産の金属製のものとセルロイドの二種類です。
この形式のものは、四つに折りたためることから、通称、「四折れ」とよばれており、他にも六つに折りたためる「六折れ」などがあります。
「六折れ」は今でも少量ながら制作されており、当店にも何種類か常に在庫しています。
しかし「四折れ」はほとんど見ることが無くなりました。
眼鏡を常時もち歩く方にはとても便利なアイテムなのですが。
「四折れ」の特徴としては、現在の眼鏡の様に耳の後ろでホールドするのではなく、こめかみ「テンプル」を挟み込んで留める形式であることがあげられます。
この「テンプル」を挟むパーツであることから、現在もツルの部分を「テンプル」と呼ぶと考えられます。

テンプルの先にはコルクの滑り止めが。
テンプルの先にはコルクの滑り止めが。
折りたたんだところ
折りたたんだところ
うえのものとは折りたたみ方がちがいます
うえのものとは折りたたみ方がちがいます
拡げたところ
拡げたところ

■ 第2回 ゴージャスな明治のめがね

ハイカラな明治の眼鏡
ハイカラな明治の眼鏡

大変豪華な明治時代の眼鏡です。
レンズは、天然水晶「レンズの中に内包物あり」
フレームは真鍮製でテンプルを二つに折りたたんでケースに収納します。
ケースは木製の上に鮫皮を張り、銅で縁取りが施され、根付けには珊瑚珠が使用されており、とても贅沢なものです。
度はほとんど入っておらず、実用ではなく、あくまでも、ステータスシンボル、として使用されたような。
オーナーはハイカラなお金持ち?

■ 第1回 江戸時代の眼鏡

江戸時代の眼鏡
江戸時代の眼鏡

ごくまれに時代劇などで見かける昔のめがね、本当に当時の人はあんなものを使っていたのか?
はい、使っていました、当店に実物があります。
材質は金属、鼈甲、木、などですが、当店には現在、鼈甲のもの、真鍮のもの、鼈甲と真鍮のコンビのもの、など数種類あります。
レンズの材質はガラスと天然水晶の二種類があります。
用途は、遠視と老眼は同じ凸レンズを使うことが多いので、正確には不明ですが、おそらく老眼用だと思われます。
当時はまだ、現在テンプルと呼ばれる耳の後ろでホールドするための部品は、無く、紐などで耳に引っかけて、額の部分の三点で留める形式です。